マナビの発酵

『日々貯まるマナビを発酵させる』

流行りの「対話」というマジックワードに注意せよ。

2013年より、ほそぼそとそしてもんもんとした気持ちを抱きながらも、マネジメントの方法の中で、「1 on 1」を実施してきました。

暗中模索での我流「1 on 1」に不安にかられながらも、効果も感じていたのでここまで続けてきてます。

 

そんな「1 on 1」の手法が詰まった一冊 

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法

 

 Yahooでは2012年より、1on1が実施されており、これまでのノウハウをここに詰め込んだ一冊です。

 

そもそも「1 on 1」とは?

 "わざわざ定期的に"上司と部下との間で行う1対1の対話のこと

だと、本書にて定義されています。

 

さらっとしたこの言葉に、深みと難しさが含まれています。

 

そもそも"対話"とは?という問が次に思い浮かびます。

最近流行りの「対話」は、言うは易し行うは難し。

 

個人として非常に尊敬している東大の中原先生は、

www.nakahara-lab.net

 

対話とは、お互いが「違うこと」を前提にしているコミュニケーションであり、
 「相互の違いをあぶりだすコミュニケーション」です

 

と述べております。

 

このブログでおっしゃっている対話とは、本書の「1 on 1」で意味する対話は違う意味を指しているように思います。

 

すなわち「対話」は、時と場所によってスキルやマインドが異なるのではないかと思うわけです。

対話をひとくくりにしてしまう危険性がここにあるのではないかなと思いました。

 

流行りの言葉は、マジックワード的なものが多く、そのまま鵜呑みする危険性が多くはらんでいることを改めて確認しました。

 

自分のつかう言葉も曖昧であり、しっかりと意味を咀嚼して使おうと思います。

今日も1日がんばっぺし。

成長と変化は必ず痛みを伴う。チームビルディングも又然り。

まだかまだかと、大好きな「ジャイアント・キリング」というサッカー漫画の新刊発売を楽しみにしている今日このごろ。

 

morning.moae.jp

 

取材でお忙しく、発売が延期しております。

より面白みの増す今後の展開には必要なことと思い、首を長くして待ってます。

 

さて、先日首を長くしている際に、このような本を見つけポチりました。

 

 

この手の本(漫画から学ぶ的な)は、よく見かけ、どうしようかなーと思たものの、ジャイキリを待つ間に読もうと思い、手にしてみました。

 

一番の印象は、「痛み」を伴わないものは更なる高みへ到達しないということ。

 

筋肉痛や成長痛、擦り傷からの皮膚の再生、骨折などなど、人の体にも同じことが言え、理にかなっています。

 

『痛みを伴うからこそ、以前の状態より強固な状態になる』

 

つまり、チームも一回衝突して、壊れかけるという経験こそがより強固なチームへと進化するための糧となるということ。

 

そして、それをマネジメントするのが監督の役割であるということ。

意図的に崩壊を生み、再構築していく。

 

もともと、達海監督(ETU監督:ジャイアント・キリング参照)のチームづくりに興味があったことを科学的にしていくこの本は、非常に楽しみながら読めました。

 

不確定要素の高いサッカーというスポーツにおいて、「チーム」でジャイアント・キリングを起こすことの面白み、そしてその「チーム」をどう創っていくかについて学べました。

 

印象的だったことを列挙してみます。

 

  • チームビルディングには4つのフェーズ

① フォーミング ② ストーミング ③ ノーミング ④ トランスフォーミング

 

▼ゆるーい図

f:id:ball565656:20170128110811p:plain

 

 

  • 日本人に見られがちの「フォーミング体質」

フォーミング止まりでは、それなりの成果はあげられるが、グループの域を出ずチームとは呼べない状態。

 ー 自己主張をせずに、空気をよんで行動する。(人に飛び込まない)

 ー 自分の思い通りに組織をコントロールしようとする。(自分の想像の域を超えたがらない。)関係が悪化したすると、すぐに元に戻そうとする。

 

  • 意図的に「ストーミングを巻き起こす」

本書を通して、ストーミングとは価値観のぶつかり合いと理解しました。

そもそも、目指していることに対して人それぞれの意見や価値観があるものを、ひた隠しにしてコミュニケーションしていても、腹の底では納得していな状態の継続です。

この価値観のぶつけ合いを意図的に、そして効果的に起こし、回収していくが肝であると思いました。

ぶつかると、痛いもん。

 

『ストーミングの起こし方』

  1. みんなで一緒にやる必要があり、且つ答えがないお題を与える
  2. リーダーに依存できないようにする 

 と書かれています。

 

ただ、個人的にはこれだけではなんだか物足りないような気がしています。

  ・個人の価値観が引き出されるお題を与える

のような、オプションがあるような気がしています。

 

  • ストーミングはある種劇薬なところもあるので、チームが解散、メンバーが離脱するということを割ける必要がある。

それをどう回避するか。

  1. ビジョンが示されていること
  2. ストーミングの意義を共有すること
  3. 個人の安全を確保すること
  4. グループ全体としての安全を確保すること
  5. ストーミングがスムーズに進みやすくすること

と書かれています。(5はそりゃそうだということは、置いておいて。)

ストーミングという劇薬の効能は、チームをジブンゴト化すること。(*個人で大事にしているテーマとの親和性が高かった!!)

チームのジブンゴト化が進むことが、ノーミングからトランスフォーミングへ移行する一歩目である。

 

  • 各ステージをよりスムーズに進んでいくための、「チームワーク7つの力」
  1. 「1.1力」モチベーションあふれるチームをつくる
  2. 「凸凹力」この強みを活かすチームをつくる
  3. 「予測力」息の合ったチームをつくる
  4. 「アシスト力」信頼し合うチームをつくる
  5. 「気づき力」自ら考え、行動するチームをつくる
  6. 「面白化力」夢中で遊ぶチームをつくる
  7. 「三方良し力」大きなチームをつくる

各ステージに、それぞれの力を引き出し、チームをつくる。 

 

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「ヘビーアンビュランスユーザー」から考える社会への思いやりの育み方

先日、夜中激しい嘔吐と下痢により(上下の同時開催_night festival)、一瞬ブラックアウトしました。

 

朦朧としながら、ベッドに倒れ、これはまずいかもと思い、119番。

 

迅速な対応で、家についた救急隊員により、近くの病院に搬送していただき、適切な処置を夜間救急で受けさせていただきました。

 

病態は安定し病院をあとにする時、ふと思いました。

 

「あれ、救急車って無料なの!?」

 

あまり意識してなかったことで、正直驚きました。

税金に感謝しました。

なんていい国なんだ。ジブンゴト化すると、気付きもより多くなると改めて感じました。

それと同時に、そういえばと思い、ネットを検索すると...

 

そりゃそうだ。これは議論になるよね、と。

あれよあれよと記事に目がいきます。

 

business.nikkeibp.co.jp

 

個人的に、難しいだろうと思っている観点を出してみます。

・軽症と判断するラインをどう決めるのか。

・経済的な困窮者が本当に必要な時に、躊躇してしまうのではないか。

・呼ぼうか呼ばまないか(重症なのか軽症なのか)、自分自身でも判断しきれない。(実際の自分)

 

ただここは有料化か無料のままかという、二項対立ではなく、有料化の度合いと措置を変えることでできないものかと思案しました。

 

とはいえど、この議論を加速させるような「ヘビーアンビュランスユーザー」は、社会に対しての思いやりを持って欲しいなと思いました。

 

とはいえど、「自己主義的な人々」は世にはびこっているのも事実。

どうやって、社会を、他人のことをジブンゴト化できるのか。

これは被災地での活動の経験がいきそうなことだなとおもいました。

 

「社会に対してジブンゴト化」できる人物を育てる教育

 

なにはともあれ、人生初の救急車に助けられ、本当に感謝しました。

助けてくださった、救急隊員の方々、そしてドクターと看護師さん夜勤ご苦労様でした。

 

 

2017年は、「プレイングマネジャー」から「マネジングプレイヤー」への再移行期間!?

本年は、なんとかブログという媒体を通してマナビを蓄積し、発酵させて、今後の糧にしていきたいと思ってます。

 

まず、2016年から2017年を大局的につないでみます。

 

@2016年

PLAYER :MANAGER=8:2

 

@2017年【予測】

PLAYER:MANAGER=4:6

 

なのかなと思ったりしてます。

少数での2016年の立ち上げでは、とにかく自分が必死に動き回り、落っこちそうなタスクをとにかく打ち返す。仲間の誰かを動かすというよりも、外部のステークホルダーを自分が動かすことが多かった。

「モデル化」を目指す今年度は、仲間を採用し、その仲間が成果を出すことでの関わりの移行になっていくだろうと予見します。

 

常にマネジャーとして考える時に、参考にしているのは東大の中原先生の研究と考察。

www.nakahara-lab.net

 

今年は理論と実践を昨年度以上に行き来することが多くなりそうで、ワクワクしてます。

先日の「日本の人事部「HRカンファレンス2016-秋-」でのイベントレポートをネット上ですが拝見しました。

これまでの自身の学びがきれいにまとまった記事で、保存版です。

[イベントレポート] 「経験の浅い部下育成」を「科学」する 定着・目標設定・振り返り、そして「耳の痛い話」まで : | 日本の人事部HRカンファレンス

 

以下、「マナビ」を備忘録として

 

① 時代の変化によるマネジャーが越えなければならぬ

マネジャーが仕事をしなければならない環境が変わってきたのだと思います。変化のキーワードは五つ。“突然化・二重化・多様化・煩雑化・若年化”です」

 

“突然化”とは、組織がフラット化したことで突然マネジャーに上げられてしまうことだ。以前であればマネジャーの代行経験をできる余裕があった。“二重化“とは、マネジャーがマネジメントするだけの役割から、プレイングの状態でマネジメントをする人に変わってきていること。中原氏は、ここ20年でもっとも進行した現象だと言う。“多様化”は人の多様化であり、職場にいろいろな雇用形態や国籍の人が増えた。“煩雑化”は仕事が忙しく、面倒になっていること。ペーパーワークが増え、マネジメントの時間がとれなくなっている。“若年化”は、経験のないうちからマネジャーに登用されること

 

② その壁の具体的な見取り

第一段階は「目標共有不全」。会社から降りてきた目標を、自分の言葉で部下に伝えられない。腹落ちした言い方ができない。第二段階は「メンバーに三つのクエスチョンが生まれる」。メンバーから「なぜやるのですか」「やるのはいいですが、他の仕事はどうするのですか」「なぜぼくなんですか」と疑問が生じる。これは目標が握れていないことによるズレだ。第三段階は「勝ちパターンの横展開」。困ったマネジャーはメンバーに「自分の言う通りにやれ」「いいからやれ」と命令してしまう。第四段階は「メンバーは思うようにできない」。なぜならメンバーはマネジャーではないから。マネジャーと同じような能力、スキルを持っているわけではない。第五段階は「恐怖政治か巻き取り」。すると、さらに焦って恐怖政治を行うか、仕事の巻き取りを行い、自分で仕事をやってしまう。第六段階は「恐怖政治なら一揆が起こる」。メンバーがついに反旗を翻し、個々にはメンタルダウンやフィジカルの問題が起こる。そして最終の第七段階は「脱線」。マネジャーに上がったのに成果が出せず、仕事は脱線してしまう。

 

③ 壁を乗り越えるための「成長観点」

一つ目は「観察スキル」だ。観察を通じて部下を知ることはなかなかできることではない。ラグビーの元日本代表コーチのエディ・ジョーズ氏は「よい指導者はよい観察者である」、元ナイキの人事部長である増田弥生氏は「リーダーシップは観察から始まる」と語っている。要するに、部下を巻き込む前に観察があるということが大事

 

部下育成は、観察を通じた仮説づくりに似ています。観察を通して問題解決をすること。

 

二つ目のスキルは「目標咀嚼スキル」だ。部下と握り合いができない伝言管理職や、押し切ってしまう強権管理職がよくいるが、部下が仕事の内容や目標について腹落ちできていないと、背伸びの仕事を任せることもできない

特にここが重要。

個人的には、これはマネジャーの『意味付け(文脈づけ)スキル』だと思う。なんでに対して、部下にどれだけ腹落ちさせるかが重要だと考ええう。

 

三つ目は「内省促進スキル」だ。若いころはがむしゃらに経験することで、能力は伸びる傾向がある。

 

四つ目のスキルは「面づくりスキル」だ。人を点と点で育成するのではなく、職場に育成の面をつくっていくということ

 

最後のスキルは「フィードバックスキル」だ。人を成長させるには本人に気付かせることが大事だが、言わなければいけないことをきちんと言うことも大変重要である

 

そもそも、フィードバックとは...?

「フィードバックとは耳の痛い結果の通知です。しかし『評価結果を通知すること=ダメ出しすること」ではありません。大事なことは、それと同時に立て直しの手伝いをすること。フィードバックの研究は非常に多いのですが、三つのポイントが言われています。一つ目は、なるべく具体的に行動と結果を指摘すること。行動と結果のセットがなければ、人は行動を変えようがありません。二つ目は、とにかく事実を鏡のように伝えること。三つ目は、立て直す手伝いをすること」 

 

もちろん部下も痛みの伴わぬところに成長がないのは至極まっとうだが、マネジャーも正直なところ言いたくないことを言う=すなわち自分の心としても痛みを伴う行動(=フィードバック)は、マネジャーを成長させるんだと思う。

「思いやりのある痛みを伴う言葉」には、相手に届き、人の変る原動力になると信じている。

 

大尊敬の先輩からのコトバに、

「マネジャーという河を渡ったという覚悟を持っているか。」

を大切に、ふところに飛び込む2017年にしたいと思う。

 

がんばっぺし。